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山中 伸介*; 宇埜 正美*; 黒崎 健*; 山本 一也; 滑川 卓志
JNC TY9400 2000-011, 41 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の熱物性および機械的性質を評価するための基礎的研究を実施し、以下の結果を得た。高燃焼度時に高速炉用MOX燃料中に生成する核分裂生成物(Fission Product;FP)からなるFP析出相として、FPとアクチニド元素との複合酸化物相を取り上げその基礎物性測定を実施した。酸化物相のうちペロブスカイト型BaUO3の熱伝導率はUO2に比べ約一桁小さい値となり、燃料ペレット全体の熱伝導率を減少させる可能性があることを確認した。またBaUO3の弾性定数はUO2の弾性定数の約30%程度であることが判った。このことから燃焼が進み酸化物相が燃料母材中に析出した場合、特に偏析した場合は、燃料ペレット全体としての応力状態が不均一になり機械的特性が低下する可能性があることが判った。また、燃料母材中に固溶する元素が燃料の物性に及ぼす影響を調査するために分子動力学法(Molecular Dynamics;MD)を用いた物性予測を実施した。計算結果と昨年度実施した実験結果との間で妥当な一致が見られ、分子動力学法がMOX燃料の物性を評価する上で重要なツールと成り得ることが確認できた。
山中 伸介*; 阿部 和幸
JNC TY9400 2000-004, 78 Pages, 2000/03
高燃焼度時における高速炉用MOX燃料の挙動を把握するための基礎的研究を実施し、以下の結論を得た。プルトニウムをセリウムで代用した高速炉用模擬MOX燃料(U0.8,Ce0.2)O2にFPとして希土類元素及びジルコニウムを固溶させた模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を評価し、添加元素濃度依存性、温度依存性を明らかにした。(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の熱伝導度を(U0.8,Ce0.2)O2の熱伝導度と添加元素濃度を用いた近似式で表現することができた。模擬燃焼MOX燃料、(U0.8-yCe0.2My)O2x[M:NdorZr](0y0.13)の機械的特性を試料中の音速とビッカース硬度から評価し、試料の弾性定数、ビッカース硬度及び降伏応力が添加元素濃度が増加するにつれて減少することを明らかにした。分子動力学法を用いて燃料の物性予測を、多相平衡計算プログラム"ChemSage"を用いて高燃焼度時における燃料中のFPの存在化学形態の予測を行なった。いずれの方法でも系のみを取り扱っただけであるが妥当な結果が得られた。